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さて、「今日の一言メモ」第254回です。
「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」
「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」とは、口に出してあれこれ言う者より、口に出して言わない者のほうが、心の中では深く思っていることの例えです。
蝉は鳴くが光らず、鳴くことのできない蛍は、身を焦がさんばかりに光っているところからこのように言われるようになりました。
ままならぬ恋愛の心情を謡った「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」という都々逸 (どどいつ)があるそうです。
「初恋の日」
さて、今日10月30日は「初恋の日」だそうです。
今から123年前の1896年 (明治29年) に、島崎藤村が『文学界』46号に『こひぐさ』の一編として初恋の詩を発表したことが、その由来です。
初恋・・・なんとも甘酸っぱい響きですね。遠いあの日を思い返せば、初めて好きになった子を、ドキドキしながら遠くから見つめていたような記憶があります。
告白するなんて、とんでもない話で、利発で歌が上手いキラキラしたその子のことを、陰からそっと見て、憧れているだけでした。告白して振られて、気まずい間柄になるのなら死んだ方がマシと思っていたはずです。(^^;
蛍は、身を焦がさんばかりに光っていますが、きっとあの頃の僕の熱い眼差しを誰かに見られたら、バレバレだったかもしれません。
あの日のトキメキとドキドキを、初心として忘れない
先日のブログ記事で、世阿弥が残した「三つの初心」という言葉をご紹介しました。簡単に言えば、人生のそれぞれの段階において初めて経験し、そして、乗り越えていくものがあり、その時々の思いを初心として心に留めておく必要がある、ということです。
遠いあの日の初恋では、胸に秘めて言えなかった思いも、もしも今であれば自分の気持ちを真摯に相手に伝えることはできると思います。
これからも、その時々の「初心」を心に留め置いて、生きていきたいと思っています。
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さて、今日はここまでにしましょう。
ではまた!
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(2019.10.30記)